年金TOP > 定年後の働き方と年金

定年後の働き方によって年金の受給額が変わる

(1)厚生年金に加入しない働き方シニアの選択・年金問題

自営業やフリーランス、短時間のパート、アルバイトなど。

(2)厚生年金に加入する働き方

継続雇用や再就職をして、会社員として常勤で働く。

(1)の場合は、収入に関係なく年金を全額受け取れますが、
(2)の場合は、当面の年金が減額されることもあります。

会社員として働くと、70歳までは厚生年金の被保険者として、保険料の支払いが続きます。
厚生年金に加入しながら受け取る年金を「在職老齢年金」といい、給与等と年金の合計額によっては、年金額の全部または一部が減額される場合があるのです。

65歳未満の場合、毎月の給与に過去1年間の賞与の12分の1を加えた額(総報酬月額相当額)に、ひと月あたりの年金を合計した収入が28万円以下であれば、年金は全額支給されます。しかし、これが28万円を超えると、超えた額の半額が年金から減額されます。

60〜64歳の間
毎月の年金額と総報酬月額相当額の(ボーナスを含む年間給与の12分の1)総額が、28万円を超えないようにする

65歳以上になると、総報酬月額相当額と年金月額の合計が46万円を超えた場合に、超過分の半額が年金から減額されます。

65歳以上
毎月の年金額と総報酬月額相当額の(ボーナスを含む年間給与の12分の1)総額が、46万円を超えないようにする

厚生年金に加入しながら働き続けるメリット

60歳以後も継続雇用や再就職で働く場合、定年前に比べ収入が大幅に下がることがほとんどです。雇用保険には、こうした際に収入の減少を補う「高年齢雇用継続給付」制度があります。最大で新しい給与の15%に相当する給付金を、65歳まで受けることができます。

ただし、この給付を受けると、在職中の年金が減額される決まりがあります。先に説明した在職老齢年金に加え、高年齢雇用継続給付を受けると、新しい給与(標準報酬月額)の最大6%に相当する額が、年金から減額されるのです。とはいえ、給付金は新しい給与の最大15%で、年金の減額幅は最大6%なので、給付金を受けたほうが手取り額は多くなります。

定年後も厚生年金に加入しながら働くと、年金の減額に加え、現役時代と同様に厚生年金保険料が給与から天引きされるため、手取り額は減ります。それでも、厚生年金に加入して働き続けるメリットはたくさんあります。

・在職中に納めた厚生年金の保険料と加入月数分が退職後の年金にプラスされ流ので、将来の年金受給額が増える。

・厚生年金に加入していれば、会社が健康保険料の半額を負担してくれます。

公的給付や年金、社会保険料、税額などを総合的に計算し、給与を低く抑えながら手取り額が高くなるよう設計された「最適賃金」にすれば、収入の減少を最小限に抑えられます。